231講

「王の王キリスト」

マタイ２：１〜１２
2005年12月25日


本日は降誕日。「ユダヤの王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか。私たちは、東のほうでその方の星を見たので、拝みにまいりました。」（マタイ２：１）　東方の博士たち（天文学者か占星術師）は、恐らくメソポタミヤで捕囚されていたユダヤ人から聖書の預言でキリストがベツレヘムで生まれることを聞いていたのであろう。「ヘロデ王は恐れ惑った。」（２：３）　ヘロデ王は大変猜疑心の強い男で、自分に従わない者を片っ端から抹殺していったと言われる。自分の他に王などいないと思っているヘロデ王には、キリストの情報は大変気になり、ベツレヘムの2歳以下の男の子を残らず殺させた。

イエス・キリストは「王の王」（数ある王の中でも特別の王）。「王」とは、民の上に立って民を治める者。言い換えれば支配者であるが、キリストは、決して民を力で押さえつけたり、労力を吸い上げたり、強要したりする王ではなかった。私たち貧しいもの、弱くてもろい者を常に愛をもって支配する方なのである。人間の王のようにしばしば自己の欲望によって、民を支配するようなことは一切ない。それは、神である完璧な方が王になられたからである。

王とは、民のために先頭に立って外敵と戦う者。私たちの敵とは、先ず自分自身の中の罪。私たちはサタン（神に反抗する存在）の攻撃にさらされて、いつも罪の誘惑に会っている。また、この世においてクリスチャンとして生きていく上で障碍となる敵。平和を壊すもの、信仰の自由を妨げるものなど。キリストは私たちの先頭に立ってこれらの敵と戦ってくださる方である。そして、その戦いは常に勝利することが約束されている。「神は、私たちを暗闇の圧制から救い出して、愛する御子のご支配の中に移してくださいました。」（コロサイ１：１３）　神である完璧な方が人となり、王となられたからである。

王の王キリストが治めるところ（領域）がキリストの王国、すなわち天国、神の国と呼ばれる。この地上の王国はキリストの支配が完全ではないが、キリストが再び来られるとき完全になる。東方の博士たちは、自分たちの持っている最高のものを差し出してキリストを礼拝した。キリストの王国に住んで、キリストの完全な王国に希望を持ち、キリストのご支配のうちに生かされていることに感謝と喜びを持ち、キリストを仰ぎたい。