232講

「新年に主の恵みを祈る」

詩篇６５：９〜１３
2006年1月1日


世界共通のカレンダー、西暦（Anno Domini,主キリストの年）2006年の始まり。１月1日は主イエスの誕生から8日目にあたり、主イエスが割礼を受け、マリヤとヨセフがお告げを受けていた通りに「イエス」と命名した日である。

「あなたは、その年に、御恵みの冠をかぶらせ、」（詩篇６５：１１）　ユダヤの暦には二種類ある。一つは古代からあったもので、10月末から始まる。「先の雨」（秋の雨）とよばれる麦の生長に必要な雨があり、刈り入れ前の「後の雨」（春の雨）が程好く降る。主の恵みの賜物である。もう一つの暦は、イスラエルの民に出エジプトの「過ぎ越し」の奇跡がおこった月を年の最初とする「霊的な暦」（出エジプト１２：１〜２参照）である。

「初めに、神が天と地を造られた。」（創世記１：１）「見よ。それは非常によかった。」（創世記１：３１）　暦は太陽や月の動きを基にして作られるが、その太陽や月を造ったのは神である。神はすべてを良いものとして造られた。そして愛をもってその被造物を支配しておられるのである。

「あなたは地を訪れ、水を注ぎ、これを大いに豊かにされます。あなたは、こうして地の下ごしらえをし、彼らの穀物を作ってくださいます。・・・・その成長を祝福されます。」（詩篇６５：９〜１０）　神は造られたものを無責任に放っておかれない。神は、人間が生きていく上で必要な穀物を作るのに必要な土、水、栄養を適度に与えてくださるのである。たとえ旱魃（かんばつ）があっても、イスラエルの民は、それを民が犯した罪にたいする神のさばきとしてとらえ、この世のすべてのいとなみを支配される神に主権を置いている。（申命記１１：１６〜１７参照）

「人々は喜び叫んでいます。まことに、歌を歌っています。」（詩篇６５：１３）　決して物質至上主義になってはいけないが、物質的な喜びは人の喜びの基本である。人に地の産物を与えるのは誰であるかを常に認識し、感謝をささげていれば与えられた喜びは本物の喜びである。神は必要なものを必要なときに与えられる。必要以上には与えられない。もしも、人が必要以上に持っているなら、それは人が神から奪い取ったものである。どんなに多く持っていてもそれは祝福とは言えない。この一年、主からの祝福を祈ろう。