237講

「最高の賜物・愛」

Ｉコリント１３：１〜１３
2006年2月5日


私たちはそれぞれ賜物を与えられているが、よりすぐれた賜物は「愛」である。特別な賜物、例えば異言、預言、知識、完全な信仰、慈善、さらに殉教でさえ「愛」がなければ全く価値がないとパウロは言う。「愛」は種々の性質を持つ。

「愛は寛容であり、愛は親切です。」（Ｉコリント１３：４）　ねたまず、自慢せず、高慢にならず、礼儀に反しない、自分の利益を求めず、悪を思わず、不正を喜ばず、真理を喜ぶ。すべてを忍び、信じ、望み、耐える（１３：４〜７参照）。

「愛は絶えることがありません。」（１３：８）　永遠の愛は神の愛である。神から私たちが受ける賜物は殆どのものは一時的で不完全である。完全なものは主が再び来られたときに初めてわかる。今は鏡にぼんやり映っているのを見ているようなものである、と言う（１３：１２参照）。私たちに与えられた普通の賜物も今は主の働きに必要な物であるが、最も大切な神の「愛」はなくならない。

「信仰」「希望」「愛」は調和ある一体であり、互いに切り離すことができない。この３つは新約聖書の他の箇所にも度々ひとまとめで出てくる。それは、他の要素より優れているキリスト者の特質として扱われていることを示す。その中でも「愛」は最高の賜物。「信仰」と「希望」は人間の側のものであるが、「愛」は神の本質であり、神の人格そのものであるからである。

その「愛」は「アガペーの愛」と呼ばれる。それは対比される「エロースの愛」と違って自己犠牲、他者中心の愛である。与える愛であり、報酬を要求しない愛。動機のない自発的な愛である。「愛する者たち。私たちは互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ、神を知っています。愛のない者に神はわかりません。なぜなら神は愛だからです。」（Ｉヨハネ４：７〜８）

愛は賜物であることをもう一度確認しよう。すなわち、神の本質であるアガペーの愛を私たちは神からただで分け与えていただいているのである。どんな賜物があっても愛がなくては意味がないとパウロは言ったが、逆に、愛する賜物を発揮する人は、何の他の賜物がなくても最も優れた道を行くことができる。