248講

「最も大切なこと」

Ｉコリント１５：１〜１１
2006年4月23日



あなたにとって最も大切なことは何か。聖書が最も大切なこととして強調しているのは「福音」。この「福音」はコリントの人たちがすでに受け入れ、（「受け入れる」ことは「信じる」こと。）彼らがそれによって立っているもの。人生の土台に据えるべきもの。彼らがそれによって「救われる」ものである。

「福音」の中身は何か。「キリストは私たちの罪のために死なれた」こと、「葬られた」こと、「三日目によみがえられた」こと、多くの弟子たちにあらわれたこと、である。「福音」の効用は、それを受け入れることにより「救われる」こと。「救われる」とは、罪赦され、永遠のいのちが与えられることである。

「イエスは、その１１人が食卓に着いていることころに現れて、彼らの不信仰とかたくなな心をお責めになった。それは、彼らが、よみがえられたイエスを見た人たちの言うところを信じなかったからである。」（マルコ１６：１４）　４つの福音書には、最も主イエスの近くにいた弟子たちさえ主の復活をすぐには信じることができなかったことがはっきりと記されている。聖書は一見都合の悪いことも正直に書かれている。出来事を歴史としてそのまま記している。

私たちは弟子たちとは比べものにならないほど信仰の薄いものである。しかし、そんな私たちをも赦し、復活のいのちに入ることができるのが、「福音」のすばらしさである。信じることができなくても、復活のイエスが私に現れて信じるものにしてくださる。そして、生きている主イエスが共にいてくださり、永遠のいのちの希望に生きるようにしてくださるのである。

パウロは「月足らずで生まれた者と同様な私にも、現れてくださった」(Ｉコリント１５：８)と言う。彼は、最初キリスト教徒たちを迫害していたので、自身を「使徒たちのなかで最も小さいもの。罪びとのかしらである」と言った。しかし、復活のイエスに出会い、完全に変えられ、逆に福音を命がけで伝える者となった。「神の恵みによって今の私になりました。」（１５：１０）　自分の利己的な考えで人生が変わったのではない。ただ神の恵みによって変わったという。

「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたとともにいます。」（マタイ２８：２０）　主イエスは復活していつも私と共におられるので、平安があり、元気が湧く。喜びにあふれ、試練や困難も乗り越えていくことができるのである。