254講

「聖霊とイエス」

ヨハネ１４：２６、使徒１：８
2006年6月4日



キリストは復活の後、弟子たちに現れ、40日後に天に昇り、父なる神の右に座られた。弟子たちは十字架を目で見、復活のイエスにも会ったが、姿が見えなくなると悲しみと寂しさにおそわれた。師がいなくなれば勇気も力も湧いて来なかったであろう。しかし、主イエスは、そんな弟子たちの心を完全に理解された上で、わたしがいなくなっても聖霊を送るので大丈夫だといわれた。ペンテコステ（五旬節）はその聖霊が約束どおり弟子たちの上に降った日である。

聖霊は神である。「父・子・御霊」はそれぞれが別の人格を持った存在（位格と呼ぶ）であり、働きが違う。しかし、本質において一つであり、それぞれが神としての性質をすべて持っている（三位一体）。

聖霊は助け主である。「助けぬし、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。」（ヨハネ１４：２６）　主イエスが生きておられた時はすべてを主イエスにお任せしておけばよかった。しかし今や彼らは自立が必要になった。弟子たちは愚かで弱かった。言われても教えられてもすぐに忘れるし、そのとおりできない。そのような状況の中で、キリストに代わってわざを続けるために遣わされたのが聖霊である。

聖霊は聖め主である。「わたしは助け主（聖霊）をあなたがたのところに遣わします。その方が来ると、罪について、義について、さばきについて、世にその誤りを認めさせます。」（ヨハネ１６：７〜８）　聖霊はご自身が完全に聖いと同時に、私たちに罪を示し、私たちを聖めてくださる方である。

「あなたがたはその方を知っています。その方はあなたがたとともに住み、あなたがたのうちにおられるからです。」（ヨハネ１４：１７　この世では悪魔（神に対抗する勢力）が私たちをキリストから離し、罪に陥らせようと虎視眈々と狙っている。それと闘うには自分の力ではどうすることもできない。それは主イエスを信じることによって与えられ、私たちの内に住んでおられる聖霊によるしかない。

聖霊は福音を語る力。弟子たちは聖霊が与えられたがゆえにキリストの証人になり、迫害されながらも命の危険をいとわず福音を伝えて行った。聖霊の働きはすべてイエス・キリストと密接に関係している。聖霊は人をキリストに導き、人をキリストに向かわせ、人をキリストとともに歩ませ、人にキリストを伝えさせる尊いお方である。