259講

「父なる、全能の神」

使徒信条講解３
2006年7月9日



「父なる神」の父は誰の（何の）父か。先ず、天地の創造者であるゆえ、この世の父。またイエス・キリストの父。神はキリストをわたしの愛する子と呼び、キリストも神を父と呼ばれた。そして私たちの父。「あなたがたは子であるがゆえに、神は、『アバ（アラム語で、お父ちゃん）父』と呼ぶ、御子の御霊を、私たちのこころに遣わしてくださいました。ですから、あなたがたはもはや奴隷ではなく、子です。子ならば、神による相続人です。」（ガラテヤ４：６〜７）

神を「私の父」として信じるということは、私自身が神のこどもであることを信じるということ。しかし、私たちは生まれながらの神の子ではない。キリストを信じることによって神の子どもとされる、すなわち神の養子になるのである。「しかし、この方（イエス・キリスト）を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神のこどもとされる特権をお与えになった。この人々は、、、神によって生まれたのである。」（ヨハネ１：１２〜１３）

「神が全能である」とは、文字どおり何でもできるということではない。神は不正をしたり、約束を破ることはできないなど、御自身の特質をはずれる行為はできない。また、気まぐれに命令すれば何でも自分の思い通りになるという意味でもない。永遠のいのちを得るにはどうしたらよいかという、ある金持ちの青年の質問に対する主イエスの答え。「帰って、あなたの持ち物を売り払って貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を積むことになります。その上で、わたしについて来なさい。」「金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうがもっとやさしい。」（マタイ１９：２１、２４）

弟子たちは一体誰が救われることができるのか、といぶかった。「それは人にはできないことです。しかし、神にはどんなこともできます。」（マタイ１９：２６）　神がどんなことでもできるとは、みこころ（計画、意志）はすべてそのようになるということである。人が救われるためには人間の頭では考えられない方法で、救いに導かれるのである。この金持ちの青年も、去って行った後、悔い改めて主イエスを信じて従い、神の国に入る約束を得たと思われる。

救われた人、養子にした人を、神は特別に顧みてくださる。大切な子どもが誘惑にあったり、危険にあったり、困難にあったりすることを好まれない。いつも共に歩いてくださる。「全能の神を信ず。」