281講

「聖なる、神の子イエス」

ルカ１：２６〜３８
2006年12月10日



マリヤの「受胎告知」。「おめでとう、恵まれた方。」（ルカ１：２８）とナザレの一処女のところに天使があらわれた。マリヤは何のことかわからず、ひどく恐れて、考え込んだ。「御覧なさい。あなたはみごもって、男の子を生みます。名をイエスとつけなさい。」（ルカ１：３１）　マリヤは常識と理性を持った普通の人であった。「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」（１：３４）　結婚前の女性が男性と関係を持ったら、姦淫の罪として石打の刑にされる可能性があるので、戸惑うのも無理からぬことであった。しかし、一時あって「どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように」（１：３８）と、マリヤはあくまで主のことばに従った。

「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます。」（１：３５）　聖霊はいのちを創造する神の力。無から有を生じさせる力。「また、神である主は彼にその父ダビデの王位をお与えになります。彼はとこしえにヤコブの家を治め、その国は終わることがありません。」（１：３２〜３３）　主がキリストの降誕の約千年も前にダビデと約束されたことが実現した。この王国は神の国であって、とこしえに続く。キリストはその国の王であり、主権がその肩にある。

「神にとって不可能なことは一つもありません。」（１：３７）　神が全能であるとは、人間が何でもできると思って突っ走るそのような能力のことではない。「神はすべての人が救われて、真理を知るようになるのを望んでおられます。」（Ｉテモテ２：４）　神は、人類を救うという、深い、遠大な計画を持っておられる。この目的のためには、人間には不可能と思われることを成し遂げられるのである。その救いのために、イエス・キリストを処女の胎から生まれしめ、十字架の後復活させるという奇跡を用いられたのである。

神の救いの計画の中心であるイエス・キリストを受け入れよう。受け入れた人はその恵みに心から感謝しよう。私たちも、マリヤのように「おめでとう、恵まれた方」という御使いのことばをいただくことができるのである。