283講

「あなたのためのしるし」

ルカ２：１〜２０
2006年12月24日



クリスマスはイエス・キリストの誕生をお祝いする日。皇帝アウグストの世、クレニオという人がシリアの総督であった時、住民登録の勅令が出た。キリストの降誕物語はその歴史の上に立つ事実であり、民話や伝承のたぐいではない。

野宿をしていた羊飼いたちに最初にキリストの降誕が伝えられた。「あなたがたのために救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼い葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」（ルカ２：１１〜１２）　「救い主」の「救い」とは、私たちの心の深いところにある問題の解決のことである。私には何も問題がないように見えても、聖く正しい神から見れば問題だらけである。この私を造られた神は、私にこうあって欲しいと願っておられる。しかし、私たちは誰でも、生まれつきその御意志から離れたいという願望があり、また、離れてばかりいる。これを「罪」と呼ぶ。この「罪」からの解放が聖書の「救い」であり、その「救い」を実現するためにイエス・キリストが来られたのだ。

主イエスが生まれた環境は、実に私たちの罪を表わしている。「宿屋」は二階建ての民家で、上に人が住み、下には家畜が住んでいたと思われる。岩を掘った洞窟であったとも言われる。その場所は、大変暗い、冷たい、汚い所であったことは間違いない。私たちの心は暗い。いつも悩みや心配がある。私たちの心は冷たい。人のことを考えられない。また私たちの心は汚い。自己中心で、人を傷つけたり、すぐに怒ったり、許せないでいる。イエス・キリストは神の子であり、神が人間の姿をとって来られたことにより、私たちの心の奥底にある罪が照らし出される。

罪は自分の力では除き切れず、残念ながら死ぬまで持ち続けなければならない。しかし、主イエスは、そのままで良いからわたしのところに来なさいといわれる。主イエスは私たちを罪から救うために来られた。主イエスを信じてつながっていれば、明るい方向、聖い方向、暖かい方向がいつも示される。

「あなたのためのしるし」は、イスラエルの民に約束されていた救い主。しかし、この方は実は全世界のための救い主であった。あなたのための、私のための救い主が生まれたこのクリスマスを心から喜び祝おう。