284講

「神のすべてのわざを忘れるな」

詩篇103編１〜１４
2006年12月31日



2006年も世界で、日本で、また私たちの身辺にも様々なことが起こった。多くの恵みを与えられた一方、人の目には悪いこと、忘れたいこともあっただろう。しかし、これらの一つ一つはすべて神が深い配慮をもって計画の内に成され、司っておられたのである。忘れるなどもったいないどころか、神に対して大変失礼なことである。「忘年会」ではなく、「憶年会」をして神にすべてのことについて感謝をささげる日としたい。

「わがたましいよ。主をほめたたえよ。わたしのうちにあるすべてのものよ。聖なる御名をほめたたえよ。」(103：１〜２)　全篇、主をほめたたえる詩篇。もう一人の自分に言い聞かせるようにして、心の底から叫び、神を賛美している。「主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」（103：2）と主が私にしてくださったことを覚えて感謝するとき、純粋な賛美の声が出てくるのである。

「良くしてくださった」内容は、
（１）「すべての咎を赦し」私が犯した見える罪も見えない罪もすべて赦してくださった。これ以上の愛はない。この赦しはキリストの十字架を信じるすべての者に無償で与えられている。
（２）「あなたのすべての病を癒し」肉体の、精神の、そして霊的な病も、癒されるのは神のみわざである。私たちに癒しの力はない。今癒されていなくても、また完全に癒されていなくても、神は必ず祈るものには癒しを与えられる。
（３）「あなたのいのちを穴から贖い」私たちは神から離れ、本来、死の穴に放り込まれ、暗闇の中で生きて行かねばならなかった。しかし、助け舟イエス・キリストのところに信じて乗り込めば、荒波に揺られても沈没することがない。

「あなたに恵みとあわれみとの冠をかぶらせ、あなたの一生を良いもので満たされる。」（103：4〜5）　「良いもので満たす」とは、自分の願いや欲望を何でも聞いてくださったということではない。神にとって「良いもの」であり、私にとって必ずしも良いものであるとは限らない。いわゆる「御利益」が良いものでないこともある。また、神から与えられた「良いもの」が一杯あるのに気がつかないことも多い。

主なる神としっかりとつながっていれば、神が私たちに与えてくださるものが見えてくる。そうすれば「あなたの若さは鷲のように、新しくなる。」（103：5）　歳をとればとるほど、神の恵みと憐れみが増し加わって、霊的な年齢は若くなり、恵みの感受性が鋭くなっていくのである。