293講

「罪を赦す権威は誰に」

ルカ５：１２〜
2007年3月4日



「主よ。お心一つで、わたしをきよくしていただけます。」（ルカ５：１２）　全身ツアラアト（重い皮膚病）の人のイエスにたいする信頼と確信。主イエスは直ちに彼にさわり、「わたしの心だ、きよくなれ」と言って治された。「男たちが、中風をわずらっている人を、床のまま運んできた。、、、、屋上に上って屋根の瓦をはがし、、、、、ちょうど人々の真ん中のイエスの前につり降ろした。」（5：19）　主イエスなら必ず治してくださるという病人とその親類・友人の行いと信仰を見て、先ず言われたことばは、「友よ、あなたの罪は赦されました」。（5：20）

当時のユダヤの思想では、すべての病気は何らかの罪の結果であるとされていた。ツアラアトはその典型的なものであった。偵察のため様子をうかがっていたパリサイ人や律法学者たちは、「神のほかに、だれが罪をゆるすことができよう。」とつぶやいた。まさにイエスは神の子であり、キリストとして地上に来られたのであるから、罪を赦すことができるのは当然のことであった。

主イエスは、「先生。彼が盲目に生まれついたのは、だれが罪を犯したからですか。この人ですか。その両親ですか。」という弟子たちの質問に答えられた。「この人が罪を犯したのでもなく、両親でもありません。神のわざがこの人に現れるためです。」（ヨハネ９：２〜３）　病気になるのも神のわざ、病気がいやされるのも神のわざである。それは、病気ということを通して人間が神を見ることができるようにと神がなさること（わざ）なのである。愚かな人間はただ病気を嘆くのみ、時には神を恨んだり、のろったりする。

主イエスは、「人の子（イエスご自身）が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたに悟らせるために」（ルカ５：２４）と言ってツアラアトの人をたちどころに癒された。主は私たちの心身をいやし、そして霊的ないやしをされる方である。そして、主イエスは私たちの罪をゆるすことのできる唯一のかたである。神の御子である方にもかかわらず、十字架にかかって私たちの罪を代わりに背負ってくださったからである。