299講

「エマオへの道」

ルカ２４：１３〜３５
2007年4月15日



主イエスは復活されたその日、エマオという村へ帰る途中の二人の弟子に現れた。この物語のテーマは、最初は「目がさえぎられていて」イエスだとわからなかった（ルカ２４：１６）のが、「目が開かれて」イエスだとわかった（２４：３１）ことである。「ナザレのイエスのことです。この方は、神とすべての民の前で、行いにもことばにも力のある預言者でした。」（２４：１９）と二人はイエスを認めていた。しかし、イエスのすべてを真正面から受け入れ信じることはできなかったようである。彼らの心は曇っていた。復活の主イエスはそのような彼らに現れ、一緒に歩き、次第に彼らはそれがイエスだとわかるようになっていったのである。イエスだとわかる、すなわちイエスを信じることができるようになるためには、3つのことが必要であることを教えられる。

（１）聖書全体に救い主イエスのことが書かれていることを知ること。聖書は人類の救いのため、私たちの魂の救いのために神が書かれた本である。その救いの方法は御子イエス・キリストを通してであった。旧約聖書は救い主の預言、新約聖書はその預言の成就、すなわち救い主の誕生から十字架、復活の事実をもって信じるものは救われると説く。

（２）主イエスの人格、ことば、みわざに触れること。「いっしょにお泊りください。そろそろ夕刻になりますし、日もおおかた傾きましたから。」（２４：２９）　二人はこの方には真実があると思ったので、無理に引き止めてお泊めした。宿泊し共に食事をすれば、深い交わりができ、どんな方なのかをよく知ることができる。我が家にも、一泊だけではなく、長くお泊めしておきたいものだ。

（３）主イエスが中心におられる食事、「愛餐」による真の交わりの恵み。そして、主イエスが裂き、渡されるパンと杯をいただく「聖餐」。これらによって私たちは主イエスの臨在を体験することができるのである。「パンを裂かれたときに、イエスだとわかった」（２４：３５）

主イエスはいつも私と共におられ、共に歩いてくださっている。もしも、目がさえぎられていると、そのことに気付かない。二人の弟子のうちのひとりの名はクレオパであるがもうひとりの弟子の名は記されていない。それは私自身のことではないか。目が開かれて見えるようになり、主イエスを信じ、すべての恵みがこの方から来ていることを知ろう。