325講

「あなたの隣人とは誰か」

ルカ10：25〜37
2007年10月14日



「すると、ある律法の専門家が立ち上がり、イエスをためそうとして言った。『先生。何をしたら永遠のいのちを自分のものとして受けることができるでしょうか。』」イエスは答えた。「律法には何と書いてありますか。あなたはどう読んでいますか。」「すると彼は答えて言った。『こころを尽くし、思いを尽くし、知性を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』、また『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』とあります。」イエスは言われた。「そのとおりです。それを実行しなさい。そうすれば、いのちを得ます。」しかし彼は、自分の正しさを示そうとしてイエスに言った。「私の隣人とはだれのことですか。」（ルカ１０：２５〜２９）

そこでイエスは「良きサマリヤ人」として知られているたとえを話された。道で強盗にあって半殺しにされた人を、祭司やレビ人は見て見ぬふりをして通り過ぎて行った。しかし、サマリヤ人（イスラエル人が敵対していた混血の人たち）はその人をかわいそうに思って介抱してやった。「この3人の中でだれが、強盗に襲われた者の隣人になったと思いますか。」「彼は言った。『その人にあわれみをかけてやった人です。』するとイエスは言われた。「あなたも行って同じようにしなさい。」（１０：３６〜３７）　律法で決められているからできない、やらない、のではなく、人間として持っている感情を大切にして人と関わりなさい。愛の心を持って律法を読みなさいと、イエスは言っておられる。

「隣人になる」のは面倒なことである。私は「良きサマリヤ人」にはとてもなれないと思うかもしれない。隣人を愛するとは、自分の能力や財産や時間を自分のためにではなく、その人のために使うことだからである。私たちはすべての人の隣人となることはできない。隣人を愛するとは、「隣人となりなさい。」と神が与えてくださる人を隣人とするチャンスととらえることができるか、また、そのチャンスに自分ができる範囲で（しかし痛みを覚える程度まで）行うことができるかにかかっている。