337講

「神の国は来ている」

ルカ１１：１４〜２６
2008年1月13日



「悪霊」とは、人間の考えや力を超えて私たちを振り回すと考えられていた存在。聖書にしるされる「悪魔（サタン）」は神に敵対するもの、神の計画を邪魔するものであるが、「悪霊」はその「悪魔」の手下として、人の中に入り込んで住み着いて離れない厄介なものであった。イエスが口をきけなくする悪霊を追い出された。群衆の反応のうちのひとつは、「悪霊どものかしらベルゼブルによって、悪霊どもを追い出しているのだ」（ルカ１１：１５）というものであった。これは、イエスの悪霊追い出しのわざは本物ではない、ベルゼブルにとりつかれているのだ。彼がメシヤ（救い主）であるはずがないという偏見から出たものであった。

内輪もめをするものは分裂を起こし、破滅に陥ることになる。サタンの国がそんなことをするわけがないだろう、主イエスは答えられた。（１１：１７〜１８）。また、ユダヤ人たちの中にも「悪霊」を追い出す祈祷師がいたので、彼らもベルゼブルによって追い出していることになるのではないか、というものだった（１１：１９）。

「しかし、わたしが、神の指によって悪霊どもを追い出しているのなら、神の国はあなたがたに来ているのです。」（１１：２０）　わたし（イエス）は、「神の指」（＝神の霊）のわざによって追い出している。神の指を用いるわたしは悪魔や悪霊に必ず打ち勝つことができる。それは神の国が今ここに来ている証拠である。しかし、悪霊はしつこく、一度出て行ってもまた戻ってくる隙をうかがっている（１１：２４〜２６）。

悪魔、悪霊の餌食にならないためには、主イエスこそ彼らに打ち勝つ方であるから、主イエスを信じて従うこと。また、主イエスを信じて告白することにより与えられる「聖霊」が私たちの中に住んでおられる。聖霊は決して悪霊を入れさせないことを信じて神の国に生きることである。