363講

「キリストに感謝しよう」

ルカ１７：１１〜１９
2008年7月20日



ツァラアトとは旧約聖書のレビ記に詳しく記されている重い皮膚病のことで、以前の訳では「らい病」と訳されていた。しかし、聖書の時代の病気とは同じとは言えないのと、偏見差別を避ける意味で、新しい訳ではヘブル語原語のまま表記している。10人のツァラアトを患う人たちが必死の思いでイエスに会おうと出て来て、遠く離れたところに立って、「どうぞあわれんでください」と叫んだ。イエスは「行きなさい。そして自分を祭司に見せなさい。」とだけ言われた。10人はその御ことばに従い「行く途中できよめられた。」触れられてもいない、直接のことばもないのに治った。彼らの驚きと喜びはどれほどであっただろうか。イエスは10人全員を癒された。

そのうちのひとりが、「大声で神をほめたたえながら引き返して来て、イエスの足もとにひれ伏して感謝した。」（ルカ１７：１５）　この人はサマリヤ人であった。「十人きよめられたではないか。九人はどこにいるのか。」（１７：１７）　9人のユダヤ人はまっしぐらに祭司のところに行ったのであろう。律法の規定どおり、祭司にみてもらって皮膚がきよめられていることを宣言してもらわないと、世に認められないし、社会復帰できない。しかし、自分は一体何によって癒されたのかを忘れてしまっていた。イエスのあわれみと癒しの力によってではなかったか。イエスに出会わなかったなら、今の聖い自分はなかったのではないか。救いの根源は何なのか。私たちにも問われている。

「立ち上がっていきなさい。あなたの信仰があなたを直したのです。」（１７：１９）　私たちは日々多くの恵みを神からいただいている。なかでも、私たちのたましいが癒されているという恵みは最も大きいものである。それは、イエス・キリストというお方のゆえなのである。私たちはそのことにもっと感謝をささげるものでありたい。