364講

「その日のために」

ルカ１７：２０〜３７
2008年7月27日



「神の国はあなたがたのただ中にあるのです。」（ルカ１７：２１）　パリサイ人を代表とするユダヤ人たちの「神の国」のイメージはいわゆる「世の終わり」であった。罪と悪が滅ぼされるとき、善玉である彼らは神の国に救われると思っていた。しかし、「神の国」はもうすでに来ている、とイエスは言われた。「終末」は2千年前にイエスが来られた時すでに始まっていた。イエスは神の国がどういうものであるかを示された。どんなに神の国のしるしを行ってもイエスを救い主と認めないパリサイ人には神の国はわからなかった。彼らの関心は最後の時はいつ来るのかということばかりであった。

「神の国」はイエスとともに来ているが、それは完全な神の国ではない。この世ではサタンの力が働いていて人を神の国から遠ざけようとしている。イエス・キリストが再び来られた時、終りの日が到来し、神の国は完成する。主イエスは自らを「人の子」と呼び、再臨することを予言された。その日はいつかわからない。どのような形で来るか、どこに来るかもわからない。それはノアの洪水やソドムの滅亡のようだ。そのときは地上のすべての未練を捨て去りなさい。地上のいのちよりも豊かで尊い神の国のいのちのことを思いなさい、と言われる。「しかし、人の子はまず、多くの苦しみを受け、この時代に捨てられなければなりません。」（１７：２５）　イエスは十字架にかかり、よみがえり、父の右につき、それから再び来られる。

終末の時には、主イエスの前に立ち、ひとりひとりがさばかれる。「御子を信じる者は永遠のいのちを持つが、御子に聞き従わない者は、いのちを見ることがなく、神の怒りがその上にととまる。」（ヨハネ３：３６）「完成された神の国」は罪も悪も、「死も、悲しみも、涙も、叫びも苦しみもない。」（ヨハネの黙示録２１：４）　そのような世界に入ることができる。再び来られる日を待ち望み、お迎えする備えをしなければならない。主イエス・キリストを信じて従って歩んでいれば、主は必ず私を見つけ、裁きの席では無罪にしてくださり、「永遠の神の国」入国を許可してくださる。それゆえ、主を信じるクリスチャンにとっては終りの日は恐ろしい日ではなく、喜びの日であり、救いの日である。私たちの地上の生活はその希望の上に立っている。「私たちが命じたように、落ち着いた生活をすることを志し、自分の仕事に身を入れ、自分の手で働きなさい。」（Ｉテサロニケ４：１１）