381講

「しもべは王に仕える」

ルカ１９：１１〜
2008年11月23日



「ミナのたとえ」（ルカ１９：１１〜２７）はマタイ25章14節〜の「タラントのたとえ」と似ているが二つのテーマがある。第一テーマは王と民の話。民は「神の国」がいつ来るのか、イエスが神の国（＝イスラエルの再興と考えた）をもたらしてくれるという期待があった。しかし、イエスはそのような王ではなかった。それどころか、捕えられて、十字架につけられ、むごい死に方をされた。イエスを真の救い主と信じないで敵対する者は滅びてしまう、というたとえである。

第二テーマは王としもべの話。王に仕えているしもべたちを王がどう評価されるかである。「わたしが帰るまで、これで商売しなさい。」（１９：１３）と主人は10人に１ミナ（今の百万円位？）を与えた。主人は王位を与えられて帰ってくる。1ミナで10ミナを儲けた者、5ミナを儲けた者がいて、それぞれ儲けた額に従って町を支配させた。「よくやった。良いしもべだ。あなたはほんの小さな事にも忠実だったから」（ルカ１９：１７）　しかし、あるしもべは、ふろしきに包んでしまっておいた。王は怒ってその１ミナを取り上げて１０ミナ持っていた者に与えなさいと言われた。

王はイエス・キリストのことである。「ミナ」は「神の言葉」もしくは「神の国の福音」を指している。「しもべ」とはキリストのしもべ、すなわち私たちのことでもある。イエスを信じた者に与えられている神の国とその福音の知識を用いてどれだけ儲けたか。すなわち私たちが神の国を広げるためにどれだけのことをしたか、が問われているのである。

「遠い国に王位を受けに行く」とはイエスが死のあと復活されて天に昇り、父なる神の右に座られるということ。そして「帰ってくる」とは、再び地上に来られる再臨のことを言っている。再臨までに私たちは正しいイエス観と福音を人々に伝えなければならない。そのためには先ず、１ミナという宝をいただいていることを本当に喜んでいるかどうか。喜びがなければ増やそうとは思わないだろう。その上で各人が持っている情熱や賜物を生かして用いることを心がけよう。