384講

「わたしは門です、良い牧者です」

ヨハネ１０：１〜１８
2008年12月14日



主イエスは「わたしは良い牧者です」（ヨハネ１０：１１，１４）と言われる。「良い牧者」は自分のすべての羊を知っている。また、逆に自分のすべての羊は自分を知っている。表面的ではなく、お互いに親密な関係にある。良い牧者と羊の関係は主イエスと私たちの関係のことを言っている。主イエスは私たちの羊のような弱い、迷いやすい性質をよくご存じである。私たちが主イエスのことをどれだけ知っているかはおぼつかない。しかし、主イエスへの信仰を告白し、主イエスを信頼する者はイエスに知られていることを知っている。先ずはそれで十分である。「主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません。主は私を緑の牧場に伏させ、いこいの水のほとりに伴われます。」（詩篇２３：１〜２）

「良い牧者」は自分の羊のためには命を捨てる。羊飼いの仕事は羊の世話をすること。水のあるところ、草の生えているところへ導く。そしていのちを捨ててでも危険から守る。狼から身を守ってくれる。「たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私のなぐさめです。」（詩篇２３：４）　しかし、良い牧者イエス・キリストはそれだけにとどまらない。自ら進んで死を受け入れられた。それは、ただの事故や成り行きによる死ではなく、最初から父なる神によって計画されていた死、十字架上の死であった。「わたしは自分からいのちを捨てるのです。」（ヨハネ１０：１８）　それは、自分の羊を救うため、永遠に死なないものにするためであった。

良い牧者は今囲いの中にいない他の羊をも導く。主イエスは所有者がいなくて迷っている羊、悪い牧者の群れにいる羊も自分が導くと言われる。そのような羊とは異邦人も含めて世界のすべてのイエス・キリストを知らない人々のことである。「私たちはみな、羊のようにさまよい、おのおの自分勝手な道に向かって行った。しかし、主は、私たちのすべての咎を彼に負わせた。」（イザヤ５３：６）

「わたしは門（羊の門）」です。だれでもわたしを通って入るなら、救われます。」（ヨハネ１０：７，９）　牧舎の門は一つしかない。羊の門から入るのは真の牧者と牧者の声を聞き分けることのできる羊だけである。渇いているものは水を求める。必死に求めた時に、正しい道につながる道でなかったら悲劇である。またその道に入る人が多い。まことのいのちの道に至る道は狭い門であり、イエス・キリストの門である。「わたしが来たのは、羊がいのちを得、また、それを豊かに持つためです。」(ヨハネ１０：１０)