386講

「クリスマスから始まる」

マタイ２：１３〜２３
2008年12月28日



クリスマスは教会にとって最大の行事であり、喜びの期間である。多くの労力と祈りを費やした結果、すべて神様から祝福された。感謝！しかし、クリスマスで一挙に「終り」では、「祭りのあと」のような虚脱感だけが残ることになる。クリスチャンにとってクリスマスで終わりではなく、クリスマスから1年が始まる。なぜなら、御子のご降誕があったからこそ、私たちは救いにあずかることができるからである。

主イエスの誕生のあと、東方から3人の博士が来訪し、最高の物を送って拝した。しかし、その後すぐに、喜びが一変し、聖書は悲しみのトーンに変わる。ヘロデ王がだまされたことを知って怒り狂い、イエスを殺すために、ベツレヘムとその近辺の2歳以下の男の子を皆殺しにするよう命令を出した。「立って、幼子とその母を連れ、エジプトへ逃げなさい。そして、私が知らせるまで、そこにいなさい。ヘロデがこの幼子を捜し出して殺そうとしています。」


主イエスとその家族はエジプトに逃れることになった。そしてヘロデが死ぬまでそこにいた。主イエスの時代から1200年以上前、イスラエルの民が指導者モーセを得てエジプトから脱出したことを考えたとき、今度はそのエジプトに主イエスが逃げていったというのは興味深い。

ヘロデ王の猜疑心の強さと残虐性は歴史的にも有名であるが、ヘロデ王は、「イスラエルを治める支配者がベツレヘムから出る」という預言が今成就したという情報に「恐れ、惑った」。私たちは王ではないが、何でも自分の思い通りにいかないとイライラしたり、周りに当たり散らしたりする。また、人のせいにして、いつも不満と不安が一杯になっていないだろうか。人を邪魔な存在としてしまっていないだろうか。

ヘロデ王が死んだことを知らされ、主イエスの家族はエジプトから帰還する。ヘロデの息子アケラオがユダヤを治めていると聞いて、まっすぐガリラヤのナザレに立ち退いて住むことになった。父親ヨセフがとったエジプトへの逃避と帰還の行動は、すべて「夢」に現れた御使いの言葉、すなわち神のことばによっていた。ヨセフは普段から主に従順な生き方をしていたので、神から正しい「夢」で正しい「ことば」を与えられたとき、それを正しく聞き、行うことができたのである。主イエスは守られた。救い主が救いのわざを終えないで死ぬことは神のご意志ではありえなかった。