395講

「主の新しい契約」

ルカ２２：７〜２２
2009年3月1日



「過越の食事」は初子を打つという災いを神がイスラエルの民には過ぎ越され、エジプトを脱出することができたという歴史的出来事を覚えるために毎年守られて来た（出エジプト記12章参照）。主イエスは十字架にかかられる前の夜に弟子たちとともにこの食事をされた。最後の晩餐である。また、これが最初の聖餐となった。

「イエスはパンを取り、感謝をささげてから、裂いて、弟子に与えて言われた。これは、あなたがたのために与える、わたしのからだです。わたしを覚えてこれを行いなさい。」（ルカ２２：１９）　主のからだは鞭打たれ、十字架で裂かれたこと、また、 「わたしはいのちのパンです」（ヨハネ６：４８）と主は天から下って来た生けるパンであることを覚えるためパンをいただく。

「この杯は、あなたがたのために流されるわたしの血による新しい契約です。」（ルカ２２：２８）　旧い契約は主がイスラエルの民とされた契約。民は律法を行うことにより、救われた。その代価（犠牲）は動物の血であった。新しい契約は主が世のすべての人と結ばれる契約。主イエスを信じることにより救われる。「あなたがたは、恵みのゆえに、信仰によって救われたのです。それは、自分自身から出たものではなく、神からの賜物です。」（エペソ２：８）　代価はイエス・キリストの血であった。本来、私たちの上に神のさばきがあるはずであるが、キリストが神の子羊として犠牲になってくださったために、神は私たちに対するさばきを過ぎ越され、赦しを与えてくださるのである。

聖餐のとき、信じる者に聖霊が働いてくださって、生けるキリストが身近に臨在される。聖餐は私たちに救いの恵みのすべてを思い起こさせてくれる。罪赦されて神のこどもとされていること。永遠のいのちをいただいていること。いつもキリストとひとつであること。日々守られていること。試練があってもたじろがないこと、死をも恐れないこと。そして、教会に連なる私たちが同じ主を信じる兄弟姉妹であることなど、、、。

＊聖餐を受けるにふさわしい者とは？「自分では決してふさわしくできない。神の憐みによってのみふさわしい者とされる。そのためには、自分がふさわしくないことを神の前に差し出すこと」というカルバンのことばを聞こう。神の前にへりくだり、悔い改めと信仰を新たにして聖餐に臨むときに、神は私をふさわしい者として受け入れてくださるのである。厳粛に、しかし、感謝と喜びにあふれて聖餐にあずかりたい。