404講

「あなたはキリストの証人」

ルカ２４：３３〜５３
2009年5月3日



私たちが属する日本同盟基督教団のルーツは、フレデリック・フランソンというスエーデン出身のアメリカ人が始めた宣教団から派遣された15人の宣教師が1891年横浜に渡って来たことにある。

それから３カ月も経たないうちに、そのうちの一人、メリー・エングストロームという婦人が天然痘の宣教師を看護していて、自らもかかってしまい、１９歳で天に召された。悲しみの中で宣教が始まったが、彼らは、ただキリストの福音を伝えるために、飛騨、伊豆、房総、アイヌなどの僻地に出向いて行った。

彼らは、自らを「キリストの証人」として示すと同時に、あらゆる人々を「キリストの証人」にしたいという希望と情熱を持って数々の困難や迫害に遭いながら働いた。（「スカンジナビア人宣教師の日本伝道事始」いのちのことば社、参照）。

宣教師の初期の伝道の中で、仏教との対立がよく出てくる。僧侶が教会や天幕に現れて話を聞いたり、質問をしたり、論駁したりする姿が書かれている。他の宗教との違いが明らかになることによっても、イエス・キリストの福音のすばらしさ、イエス・キリストによる救いの確かさが証明される。

主イエスが復活して現れても、弟子たちは、うれしさはあったが、なかなか信じられなかった。「驚き、あきれて霊を見ているのだと思った。」（ルカ２４：３７）　「なぜ心に疑いを起こすのか」（２４：３８）とイエスはと叱責されるが、死んだからだがよみがえって現れているのだということをどうしても弟子たちに信じさせる必要があった。そのために、焼いた魚を求めて食べることまでされた。（２４：４１〜４３）それは、彼らをこれから「キリストの証人」として遣わすためであった。

「あなたがたはこれらのことの証人です。」（２４：４８）　次の５つのことの証人である。
（１）キリストの十字架とよみがえりの事実。
（２）キリストの名によって罪の赦しを得ることができる。
（３）そのためには悔い改めをしなければならない。
（４）以上のこと、すなわち福音はあらゆる人に述べ伝えられる。
（５）さらに、これらは旧約聖書の成就であること。

「証人になりなさい。」でも「証人になってほしい。」でもなく、「証人です。」と断定された。神のご計画の中に初めからあったことなのである。

「キリストの証人」になるためには先ずキリストに出会うこと。そして、キリストを認め、こころに迎え入れて信じることである。それだけでなく、信じていることを人に伝えることである。私たちに与えられた賜物や使命はそれぞれ違う。従って、伝える方法は違うが、自分には何ができるのかをいつも自問していれば「聖霊」に導かれて実行することができる。疑い深い、弱い弟子たちが「キリストの証人」になるためには聖霊の力と働きがどうしても必要であった。

「さあ、わたしは、わたしの父の約束してくださったもの（聖霊）をあなたがたに送ります。」（２４：４９）　主イエスのよみがえりから７週間後のペンテコステに聖霊が弟子たちの上にくだり、「キリストの証人」として力強く福音を述べ伝えていったのである。そして、私たちも「キリストの証人」として立てられ、遣わされているのである。