406講

「キリストの昇天とは」

使徒１：１〜１１
2009年5月17日



「イエスは彼らが見ているあいだに上げられ、雲に包まれて、見えなくなられた。」（使徒の働き１：９）「主は天に昇り、全能の父なる神の右に座したまえり。」と使徒信条で告白する。「天」とは、私たちのイメージでは「上」「宇宙の果て」であるが、「天に昇られた」とは「地上」や「この世」ではないところ、別の世界に行かれたと考えよう。有限の世界から神の無限の世界へ移られたということである。そこは元々主イエスが父なる神とともにおられたところであった。

「見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」（マタイ２８：２０）　「私たちとともにいつまでも」と言いながら、どうして去っていくのか、と思うが、主イエスは十字架と復活という地上の わざを終えて「天」に帰られた今度は、地上におられた時よりももっと強い絆で私たちを結ばれているのである。

主イエスの昇天は私たちを執りなしてくださるため。「私の子どもたち。私がこれらのことを書き送るのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。もしだれかが罪を犯すことがあれば、私たちには、御父の前で弁護する方がいます。義なるイエス・キリストです。」（Ｉヨハネ２：１）　私たちの信仰の戦いの中で、罪から守ってくださり（ローマ８：３４参照）、罪を犯しても、弁護してくださるのである。

主イエスの昇天は、私たちが主にあって一つであることを示すため。「それは、父よ、あなたがわたしにおられ、わたしがあなたにいるように、彼らがみな一つとなるためです。また、彼らもわたしたちにおるようになるためです。」(ヨハネ１７：２１)　私たちはすでに天におられて、教会のかしらであるイエス・キリストからいのちの養分をいただき、イエスの手足として一つとなって働くためにこの地上にいる。

主イエスは地上を去る代わりに、聖霊を遣わすことを約束された。事実、10日後のペンテコステ（聖霊降臨日）に聖霊が弟子たちの上にくだった。また、イエスは再び来られることを約束された。その時には、天イエスと私たち地上との不完全な結びつきではなく、主イエスを信じる者は完全に天に上げられる。「神様。私たちは御子イエス・キリストが天に昇られたことを信じます。どうか私たちも心と思いを天に昇らせ、絶えず主とともにおらせてください。」